「お風呂掃除、天井まで手が回らない…」
「見えないから、まあいっか…」
そう思って、見て見ぬふりをしていませんか?
実は、浴室の天井はカビが最も発生しやすい場所!
放置すると、胞子が浴室中に広がり、健康被害の原因になることも…。
それだけでなく、天井の素材を傷めて浴室自体の寿命を縮めてしまう可能性も!
この記事では、浴室の天井のカビを安全かつ効果的に除去する方法を解説します。
- 浴室の天井にカビが生える原因
- 安全な天井掃除の方法と注意点
- カビ取り掃除に必要なもの
- おすすめの便利アイテム
- 浴室のカビ予防策
この記事を参考に、天井のカビを撃退して清潔で快適なお風呂を取り戻しましょう!
浴室の天井にカビが生える原因

「お風呂の壁や床は気をつけているけど、天井にもカビが生えるのはどうして?」
「天井なんて、水もあまりかからないはずなのに…」
浴室の天井は直接水がかかることは少なくても、実はカビが非常に発生しやすい場所の一つです。その主な原因を見ていきましょう。
原因1:高い湿度
浴室が家の中で最も湿気が多い場所であることは、天井のカビ発生における最大の要因です。
入浴時の蒸気
シャワーを浴びたり、湯船にお湯を張ったりすると、大量の暖かい蒸気が発生します。
暖かい空気は上昇する性質があります。そのため、湿気を含んだ蒸気は天井付近に溜まり、天井材に付着して結露することがあります。これがカビの発生しやすい湿潤環境を作り出します。
換気不足
入浴後、換気扇を回さなかったり、窓を開けなかったりして換気が不十分だと、浴室内にこもった高い湿度がなかなか下がりません。
カビは湿度が高い状態(一般的に70%以上)を好むため、湿気が長時間滞留する環境は、まさにカビの繁殖を促してしまうのです。
原因2:温度
暖かい空気は上に溜まる
お風呂に入ると浴室全体が暖まりますが、暖かい空気は軽いので自然と上昇し、天井付近に溜まる傾向があります。カビの多くは20℃から30℃くらいの温度で最も活発に繁殖するため、浴室の天井付近は、カビにとって居心地の良い温度になりやすいのです。
原因3:栄養源
カビも生き物であるため、繁殖するには栄養が必要です。浴室の天井にも、実はカビのエサとなるものが付着しています。
石鹸カス、皮脂汚れ
シャワーを浴びるときなどに、目には見えなくてもシャンプーやボディソープの泡、体から出た皮脂汚れなどが細かく飛び散って天井に付着しています。石鹸カスや皮脂汚れが、カビにとっては増殖するための貴重な栄養源となってしまうのです。
放置するとカビの胞子が浴室全体に…!
カビは放置厳禁
「天井のカビくらい、少しくらいなら…」と放置しておくのは非常に危険です。天井で繁殖したカビは、目に見えない胞子を空気中に大量に放出し浴室全体に降り注ぎます。その結果、壁や床、シャワーカーテン、小物など、浴室内のあらゆる場所にカビが移り、被害が拡大してしまう可能性があります。
さらに、空気中に漂うカビの胞子を吸い込んでしまうことで、アレルギー症状(くしゃみ、鼻水、咳など)や喘息、皮膚炎などを引き起こす原因にもなりかねません。天井のカビは、見つけ次第、早めに対処することが重要です。
浴室の天井掃除。安全に行うための注意点

浴室の天井掃除は、カビ取り剤を使うことも多く、また高所での作業となるため、他の場所の掃除以上に安全への配慮が不可欠です。作業を始める前に、以下の注意点を必ず確認し、安全第一で進めましょう。
必ず換気をする。作業環境の空気を常に新鮮に
掃除中、特にカビ取り剤を使用する場合は、必ず窓を開けましょう。同時に換気扇も回して、十分な換気を行ってください。換気が不十分だと、カビ取り剤の強い成分(塩素系など)を吸い込んで気分が悪くなったり、空気中に舞ったカビの胞子を吸い込んだりするリスクがあります。
ゴム手袋、マスク、ゴーグルを着用。身体の保護を徹底
カビ取り剤が皮膚に付着するのを防ぐためのゴム手袋、薬剤の吸入やカビ胞子の吸入を防ぐためのマスク、そして薬剤の液だれや飛沫が目に入るのを防ぐためのゴーグル(またはメガネ)は、必ず着用しましょう。肌や粘膜への刺激が強い薬剤を使う場合もあるため、マスクなどの保護具は必須です。
安定した足場を確保する。足元の安全確認
脚立やお風呂用の椅子などを使う場合は、必ず床が濡れていない、平らで安定した場所に設置してください。また、ぐらつきがないかを確認してから乗りましょう。
滑りやすい浴室内での作業なので、足元には細心の注意が必要です。自分の身長と天井の高さに合わせて、無理なく手が届く高さの足場を選び、高すぎるものは使用しないようにしましょう。
洗剤の使用方法を守る。薬剤の正しい取り扱い
カビ取り剤などの洗剤を使用する場合は、必ず製品に記載されている使用方法、希釈濃度(必要な場合)、使用可能な場所、放置時間などの指示を厳守してください。
特に、酸性タイプの洗剤や食酢などと塩素系のカビ取り剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生し非常に危険です。絶対に混ぜないでください。
また、効果を高めようとして指定時間以上に放置することも、素材を傷める原因になるのでやめましょう。
無理な体勢で作業しない。身体への負担を考慮
上を見上げて腕を伸ばす姿勢は、体に大きな負担がかかります。長時間同じ体勢で作業せず、こまめに休憩を取り、首や肩を回すなどして体をほぐしましょう。
無理に手を伸ばして作業するのではなく、足場を少しずつ移動させながら、できるだけ楽な姿勢で作業できるように工夫することが、疲労やケガの防止につながります。
浴室の天井掃除に必要なもの
浴室の天井掃除を安全かつ効果的に行うために、以下の道具を事前に準備しましょう。
カビ取り剤(塩素系漂白剤)
浴室の天井に発生した黒カビなどを除去するために使用します。スプレータイプが一般的です。使用する際は、必ず換気を十分に行い、後述する保護具(ゴム手袋、マスク、ゴーグル)を着用してください。酸性タイプの製品とは絶対に混ぜないでください。
フロアワイパー(または柄の長いブラシ)
天井に直接手を伸ばさずに掃除するための主要な道具です。床掃除用のフローリングワイパーでも代用できますが、柄が長いものや伸縮可能なものがあると、より楽に作業できます。ワイパーの代わりに、柄の長い浴室用ブラシを使うことも可能です。
使い捨てシート(または雑巾)
フロアワイパーのヘッドに取り付けて使用します。カビ取り剤を塗布したり、水拭きしたり、乾拭きしたりする際に使います。洗う手間を省きたい場合は、厚手のキッチンペーパーや市販の天井用ウェットシートなど、使い捨てできるものが便利です。
雑巾を使用する場合は、洗剤用、水拭き用、乾拭き用と複数枚用意しましょう。
ゴム手袋・マスク・ゴーグル(またはメガネ)
カビ取り剤が直接皮膚に付着するのを防ぎます。また、カビや汚れに直接触れるのを避けるためにも、必ず着用しましょう。
マスクは、カビ取り剤の刺激臭や成分や空気中に舞うカビの胞子を吸い込んでしまうのを防ぐためにも、必ず着用してください。
目をしっかりと保護するために、ゴーグルまたはメガネの着用は必須です。上を向いて作業するため、カビ取り剤の液だれや飛沫が目に入るのを防いでくれます。
脚立または椅子(安定したもの)
天井に手が届かない場合に必要です。必ず安定していて滑らないものを選び、ぐらつきがないか確認してから使用してください。
新聞紙またはビニールシート(養生用)
天井からカビ取り剤や汚れが垂れて床や壁、浴槽などを汚さないように、あらかじめ床などに敷いて保護(養生)するために使います。
浴室の天井掃除。手順を解説

安全のための注意点を確認して必要なものが揃ったら、いよいよ浴室の天井掃除を始めましょう。
手順1:床を保護する
天井からカビ取り剤の液だれや汚れが落ちてきても大丈夫なように、床全体を新聞紙やビニールシートなどで覆って養生します。浴槽の中もカバーしておくとより安心です。
手順2:換気をする
浴室の窓を開け、さらに換気扇を回して、しっかりと換気ができている状態にします。カビ取り剤(特に塩素系)を使用する際は、特に必須のステップです。
手順3:カビ取り剤を塗布
安全に薬剤を塗る
フロアワイパーにキッチンペーパーや使い捨てシート、またはきれいな雑巾を取り付けます。キッチンペーパーにカビ取り剤をスプレーして染み込ませます。(注意:カビ取り剤を天井に直接スプレーするのは絶対にやめましょう。液が垂れて目に入る危険があります。)
薬剤を染み込ませたワイパーを使って、天井全体を優しく拭くように塗布していきます。カビが特にひどい箇所があれば、カビ取り剤を染み込ませたキッチンペーパーを貼り付けてパックすると、薬剤が密着して効果が高まります。
手順4:しばらく放置
薬剤の浸透時間
カビ取り剤を塗布したら、製品に記載されている指定の時間(通常5分~30分程度)だけ、放置します。放置時間で薬剤がカビに浸透し、分解・除去する効果を発揮します。指定時間以上に長く放置しても効果はあまり変わらず、むしろ素材を傷める可能性があるので時間は守りましょう。
手順5:洗い流す
放置時間が経過したら、天井全体をシャワーの水で洗い流します。カビ取り剤の成分や浮き上がったカビ汚れが残らないように、十分な水量で丁寧に流しましょう。
シャワーが天井まで届きにくい場合や、水圧で薬剤が飛び散るのが心配な場合は、水で濡らして固く絞った雑巾をワイパーに取り付け、何度も拭き取って薬剤を除去する方法でもOKです。
手順6:乾燥させる
掃除が終わったら、最後の仕上げとして天井をしっかりと乾燥させることが重要です。換気扇を回し続けたり、窓を開けたりして、浴室全体の湿度を下げて、天井が完全に乾くまで待ちましょう。
湿気が残っていると、せっかくきれいにしたのに、またすぐにカビが再繁殖してしまう原因になります。
浴室の天井掃除におすすめのアイテム

浴室の天井掃除をより楽に、効果的に行うために便利グッズを活用するのもおすすめです。
柄付きブラシ
天井の高い場所にも届きやすいように、長い柄が付いたブラシです。カビ取り剤を塗布したり、軽いカビをこすり落としたりする際に役立ちます。ヘッドの角度が変えられるものだと、さらに使いやすいですよ。
伸縮ポール
先端にモップやスポンジやブラシなどを取り付けて使用できる、長さが調節可能なポールです。天井の高さに合わせて最適な長さにできるため、無理のない姿勢で作業できます。
カビ取りジェル
通常の液体スプレータイプのカビ取り剤は、天井に使うと液だれしやすいのが難点です。ですが、ジェル状のカビ取り剤なら、天井の気になる箇所にピンポイントで塗布しやすく、液だれしにくいのが特徴です。薬剤がカビに密着しやすいため、効果も期待できます。
防カビ剤
天井掃除が終わった後の、カビ予防に使うアイテムです。天井や壁にスプレーするタイプや、浴室全体に煙を行き渡らせる燻煙(くんえん)タイプなどがあります。定期的に使用することで、カビの発生を抑制する効果が期待できます。
浴室天井のカビの予防対策
天井のカビは、発生してから掃除するよりも、日頃から発生させないように予防することが最も大切で、かつ楽な方法です。
入浴後は換気を徹底する
湿気を溜めないことが最重要!
入浴後は、浴室内にこもった大量の湿気をできるだけ早く外に排出することが、カビ予防の基本中の基本です。
換気扇を回し、可能であれば窓も少し開けて空気の通り道を作りましょう。換気扇はすぐに止めず、数時間以上、理想的には24時間つけっぱなしにしておくことで、浴室全体を効果的に乾燥させることができます。
入浴後は水滴を拭き取る
換気と合わせて行いたいのが、水滴の除去です。お風呂上がりに、スクイージーや乾いたタオルを使って、手の届く範囲の壁やドア、そして可能であれば天井の水滴も拭き取っておきましょう。
カビは水分がないと繁殖できません。このひと手間で、カビの発生リスクを大きく減らすことができます。
定期的に天井を掃除する
目に見えなくても、天井にはホコリや石鹸カスなどが付着し、カビの栄養源となります。月に1回程度でも良いので、フロアワイパーにアルコール除菌シートなどを取り付けて、天井全体をサッと拭き掃除しましょう。カビのエサとなるものを取り除くことで、カビの発生を抑制できます。
防カビ剤などの予防アイテムを活用
市販されている浴室用の防カビ剤を定期的に使用するのも効果的な予防策です。天井や壁に直接スプレーするタイプや、浴室全体に薬剤の煙を行き渡らせる燻煙タイプなどがあります。製品の指示に従って正しく使用することで、カビが生えにくい環境を維持する助けになります。
プロに浴室掃除を依頼する場合、天井掃除が含まれるか確認が必要です。詳しくは下記の記事をご覧ください。
まとめ
浴室の天井は、湿気・温度や汚れといった条件が揃いやすく、家の中でも特にカビが発生しやすい場所の一つです。
しかし、カビが生える原因を理解し、適切な方法で掃除を行い、そして何より日頃からカビを発生させないための予防策を習慣づけることで悩みは必ず解決できます。
今回ご紹介した安全な掃除の手順や便利なアイテム、そして毎日の換気や水滴除去といった簡単な予防策を参考に、ぜひご自宅の浴室天井ケアに取り組んでみてください。
見落としがちな天井まで清潔に保つことで、浴室全体の空気がきれいになり、カビの心配なくリラックスできる、本当に快適なバスタイムを過ごせるはずです!



